絵を描き始めてから 半世紀以上経つ現在一体自分は何を求めようとしているのだろうか。
もともと平面(油)から出発し 40代から抽象の世界に移り50代から銅版画の世界に没頭してきた。
更に現在は制作の材料を珪藻土に決め、強靭なマチエールの下地をつくり、スクラッチの技法を駆使してタブローを制作している。
そのタブローを”版画の原版”にして金属(鉛)や和紙にプレスしようとしている。
当然、PAIR又はTRIPLEと題名し、両者共々一体化して作品としている。
タブローにはタブローとしての長い歴史と主張があり、版画にもあることに異論はない。その両者の主張を総合的にまとめたところに私としての主張があると考えたい。
と同時にタブローと版画における偶然性を必然の世界にまで高めることに興味と勇気がわいてくる。
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